オヤジスキーどもの穴(連載小説用ブログ)
ゆずかほるの連載小説掲載用ページ。ここに掲載する小説には男性同士の恋愛および性描写が含まれますので、18歳未満の方・BL・やおい・同性愛等に不快感を抱かれる方は今すぐ退散してください。


プロフィール

ユズカホル

Author:ユズカホル
サークル名:BUCK÷STYLE/自称スケベビッチ・オヤジスキー。中学生の頃には既に自他共に認めるオヤジ好きを確立。よって小説の登場人物は平均年齢高め。ジャンルはハードボイルド系JUNE。ちょっと後ろ暗い感じのする小説を書くのが好み。
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2 寒露(かんろ)(3/5)
連載小説2 『黍嵐(きびあらし)』
第2章 寒露(かんろ)(3/6)

<余談>
 今更ですが、このカンロはアメじゃありません。二十四節季です。
 いや、アメも美味いんだけどさ・・・(ゴニョゴニョ)
 さらに。
 いつの間にか500HIT超えてました!
 小さいながら、500オーバーは目標だったんですv
 訪問してくださった方々に大感謝です!!ありがとうございます!
 これからもよろしくお願いいたしますvv


お読みになる方は、下の read more をクリックしてください。
 徳川のマンション。
 深夜。小さな物音に、松院は目を覚ました。
「・・・ヒロさん?」
「起きたか。すまん」
 徳川は重い吐息を漏らした。
「疲れた?」
「まぁな」
 徳川は松院の布団に潜り込んできた。
「ちょっと。ヒロさんの布団、そっち」
「いいから詰めろ」
「わっ!冷たっ!」
 触れた徳川の手足は冷え切っていた。
「書斎でいろいろやっていたら冷えちまった」
 松院は徳川の冷えた身体に包まれて瞼を閉じた。
「寒露だもんね」
「ん?何県だ?」
 松院がプッと吹いた。
「ちがーう。酒じゃなーい」
「・・・ああ。二十四節季か。結んだ露が凍る時期の寒露だな」
「そ。神露とか香露のことを考えたでしょ?」
「岡山、熊本・・・職業病だな」
 徳川は身体をよじって松院に覆いかぶさってきた。口髭と唇が松院の額や頬に触れた。
「合コン、行くのか?」
「うん。なべちゃんも必死みたいだし。学園祭前に落としておきたい娘がいるんだって」
 徳川の唇が松院の首筋へと滑り降りた。薄く開かれた松院の唇から熱を帯び始めた吐息が漏れる。徳川は上半身を起こして松院と視線を重ねた。
「浮気はするなよ」
 本気かどうかは分からないけれど、徳川がヤキモチめいたことを言ったことが松院には可笑しかった。そして嬉しかった。
「しないよ。浮気なんて絶対しない」
 徳川が唇を重ねてくる。松院は唇を開いて徳川の舌を受け入れた。
深い口付け。息苦しさを覚えるほど深く、甘い。舌を絡ませ合い、溢れた甘露が唇の端を濡らした。
 
 ***

 チリリンと涼しげな音。
「いらっしゃいませぇ」
 ドアチャイムの音で反射的に女が顔を上げた。
「あーら、久しぶりね。どうしたの?」
 松院は『ども』というふうに小さく頭を動かした。店の中を軽く見渡す。二、三組の客が入っていて、それぞれに女の子がついていた。松院はカウンタースツールに腰掛けた。
「やっとの思いで逃げてきたンスよ」
「まぁた追っかけられてるの?今度は何よ」
「合コン」
 プッと店主の立川香奈が笑った。綺麗に化粧を施した少しキツイ顔。やはりこのひとは化粧をした方が若く見えると松院は思った。
 香奈が言うには、この店は徳川酒類販売店の直営だとかで、置いている酒は逸品揃いだった。
「馬鹿ねぇ。それだったらお客さん連れて来るもんでしょ?」
「学生が騒ぐ店じゃないっしょ、ここは」
「ま、そうね。こないだキープしたやつでいい?」
 松院は小さく頭を動かした。『KAWASAKI』のタグの掛かったボトルが香奈の手によって引き出される。徳川と一緒に暮らすようになって一度だけ挨拶程度に来店したときにキープしたボトルだった。
「ロック?」
「うん」
「あたしも貰っていいかしら?」
「どーぞ」
 松院はカウンタースツールに腰掛けて、香奈の動きをぼんやりと追った。首周りの大きく開いたドレスから白い胸元が覗いている。松院はモッツァレラチーズってこんな感じだったかなぁなど考えた。同時に、先刻までバカ騒ぎをしてきた女の子たちが非常に子どもっぽく思えた。それだけ香奈には大人の女の色香が漂っている。
 香奈が差し出した水割りとグラスを合わせる。カチンと小気味のよい音が響いた。
「で?好みの娘はいた?」
「いーや。てぇかさ、オレ、当て馬だし」
「なによ。あんたが当て馬?ハイレベルな合コンだこと」
 香奈がくすくすと笑った。
 好みの娘がいれば今宵一晩くらい遊んでもよかったかな、などと松院は冗談交じりに考えてみたりした。どうせ徳川への当て付けのつもりで参加を決めた合コンだったわけだし――
 松院は水割りのグラスを傾けた。上品な芳香が口から鼻へと抜けていく。
「博康さんは元気?」
「うん。社長業が忙しいみたい。朝から晩まで飛び回ってるよ」
「ふうん」
「昨日も会社に戻ってこなくてさ。どっかのお偉いさんに捕まってんのかどうなのか、ヒラのオレにはわかんないけど」
 香奈は松院の話を聞きながら松院の手元にある空いたグラスを下げた。入れ替えに同じウィスキーで満たした新しいグラスをコースターの上に置く。
「いいじゃない。一緒に暮らしてンだから」
「ん〜・・・でも、近頃まともに喋ってないかも」
「夜もご無沙汰なんじゃないの?」
 松院はブッと吹いた。
「なんつーこと言うんですか」
「あっは!図星だったみたいねぇ」
 香奈は実に愉快そうに笑っている。
「あんた、あたしの恋敵だっていう自覚ないでしょ」
 香奈がくすくすと笑った。
「あたしが寝取ちゃおうかな。今のうちに」
 香奈は本気だ。本気で徳川のことを愛している。しかし、徳川は恋愛やら性愛やらの対象として香奈を見ていない。そのことを松院は香奈の口から聞かされていたのだが、面と向かって『寝取る』などと言われてしまうとさすがにぎょっとする。
 チリリンと、松院の背後でドアチャイムの音がした。香奈の視線が松院の背後に向いた。松院は気にせずにグラスを口に運んだ。
「いらっしゃいませ」
「う〜寒っ。外は結構冷えるよ」
「待ち合わせ?」
「うん、そう」
 声の主が『あれっ』と漏らした。
「向田くんじゃない?」
 松院はびっくりして声の主を振り返った。

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ゆずぶろ【2008/05/12 20:40】





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