オヤジスキーどもの穴(連載小説用ブログ)
ゆずかほるの連載小説掲載用ページ。ここに掲載する小説には男性同士の恋愛および性描写が含まれますので、18歳未満の方・BL・やおい・同性愛等に不快感を抱かれる方は今すぐ退散してください。


プロフィール

ユズカホル

Author:ユズカホル
サークル名:BUCK÷STYLE/自称スケベビッチ・オヤジスキー。中学生の頃には既に自他共に認めるオヤジ好きを確立。よって小説の登場人物は平均年齢高め。ジャンルはハードボイルド系JUNE。ちょっと後ろ暗い感じのする小説を書くのが好み。
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2 寒露(かんろ)(5/5) 【注意:性描写(男×男)あり】
連載小説2 『黍嵐(きびあらし)』
第2章 寒露(かんろ)(5/5)

<注意>
  今回は性描写(男×男)が含まれています。
  未成年者および性的表現、同性愛が不快だと思われる方などは、
  このまま退散してください。
  興味本位でお読みになって、気分が悪くなっても、当方は一切の
  責任を負いかねます。


<お詫び>
 本章は5分割して掲載し、今回が5/5となります。
 これまで『*/6』と表記していたのは誤りです。
 申し訳ございませんでした。


お読みになる方は、下の read more をクリックしてください。


 住処に戻った松院は、奥の和室にいた。この八畳間には団地用の仏壇が据え付けてある。祀られているのは徳川酒造の先人たちと、真実(マサミ)という青年だった。真実は徳川の昔の恋人で、公私ともに徳川のために尽くしていた。しかし、スピード狂が災いして、交通事故で亡くなってしまったのだという。
 松院は仏壇の前に正座をした。そして酒のせいで鈍った思考で、梶木が語ったことをぼんやりと思い返した。
(寂しい・・・か)
 寂しいのはこっちの方だと松院は思った。構って欲しいというわけではなく、ただ、当たり前に接して欲しいわけで――それに心配なのだ。徳川の身体が。こんなに働きづめで大丈夫なのだろうか。
 松院は重い溜息をつきそうになったが、慌てて息を呑んだ。仏様に酒臭い息を吹きかけるわけにはいかないからだ。
(それでも好きなんだ。どうしようもないよね、真実さん)
 松院は仏壇の前に置かれた真実の写真に微笑みかけた。写真の中の真実は鮮やかなブルーのシャツを着て、八重歯を除かせて笑っている。
『真実さんにもこんな時期があったのかな・・・?』
 隣の部屋で引き戸を開ける摩擦音がした。そして畳の上を歩く音が近づいてくる。松院は蝋燭の火を消して、仏壇の扉を閉じた。
「松院?」
 襖の向こうから徳川の声がした。すっと襖が引かれた。
「帰っていたのか」
「うん。ヒロさん、書斎にいたから、邪魔しない方がいいかなと思って」
「そうか。気づきもせずにすまなかった」
「ううん」
 松院は立ち上がると、ゆっくりとした動作で徳川に身体を寄せた。
「ヒロさん」
「ん?」
「オレのこと好き?」
 徳川は松院の細い身体に緩く腕を回した。
「ああ。好きだ」
「オレもヒロさんが好きで好きで堪んないんだ。・・・欲しい」
 熱に潤んだ瞳が徳川を見詰めた。徳川は松院の欲求に応えるように、ゆっくりと唇を重ねた。

 その夜、松院は激しく徳川を求めた。松院は自分でも掴むことのできない感情に突き動かされて、それを止めることができなかった。
「・・・・っ!ショウ。もういい。来い」
 徳川の発した苦しげな吐息混じりの言葉に、松院は徳川の雄から口を離した。たっぷりと口で愛した徳川の雄は怪しく滑っている。
 松院は徳川の雄の上に跨って、ゆっくりと腰を下ろした。エラの張った先端が狭い入り口を押し分ける。
「んっ!・・・・はぁ・・・・」
 松院の体内をズルリという音が走った。痛みは一瞬のことで、すぐに快感の波が松院を襲い始めた。
「ウッ!アアッ!!」
 快感に直結した嬌声を上げながら、松院は徳川の上で腰を揺すった。前後、上下にと、腰の動きは激しさを増していく。
 松院の締め付けが一層きつくなって、徳川は松院の限界が近いことを悟った。
「ヒロッ!もう、もうっ・・・!」
「まだだ!我慢しろ」
 松院は息を詰まらせて快感の絶頂に耐えた。徳川は松院を快楽の淵へ追い落とすべく下から激しく腰を使って突き上げた。
「アア!ヒロッ・・・!イッ・・・イク・・・・!!」
 松院の放った熱い液体が徳川の腹筋を濡らした。少し遅れて徳川は松院の中に放っていた。
 仰け反ったまま後ろへ倒れそうになった松院を徳川は慌てて抱き寄せた。
「ショウ?おい」
 頬を軽く叩く。松院はブラックアウトする寸前のところまでいっていた。ぐったりと力の抜けた松院の身体を徳川はしっかりと抱いてやった。汗にまみれた細い身体は、快感の絶頂を極めた余韻のために小刻みに震えていた。
「ショウ?大丈夫か?」
「・・・ん・・・・」
 徳川は松院の額に張り付いた髪を優しく撫で上げた。
「どうした、今夜は。やけに激しかったな」
「・・・・ヒロさんだって」
「誘ったのはおまえだ」
 くすくすと笑いながら松院は徳川に頬を摺り寄せて甘えた。
「気持ちよかった?」
「ああ。死ぬかと思った」
 徳川は少し身体をずらして松院を抱きなおした。
「ショウ」
「ん・・・?」
「誕生日には何が欲しい」
「えっ?」
 余韻に浸ってまどろみかけていた松院がパッと眼を開けて徳川の瞳を見詰めた。
「誕生日って・・・・」
「もうすぐだろう?忘れていたのか?」
「そうじゃないけど・・・なんで知って・・・」
 徳川は松院の頬を優しくつねった。
「履歴書を出して、就職試験をしてくれと言ったのはおまえだったと思うが?」
 ああそうかと、松院はくすくすと笑った。
「気にしてくれてたんだ」
「当然だ」
 松院はゆったりと微笑んで、徳川の胸に額を預けた。
「欲しいもの・・・・そうだな・・・・こういう時間かな」
 徳川は松院の髪を撫でた。
「そうだな。こういうう時間をしばらく欠いていた。ごめんな」
 松院は額を預けたまま小さく頭を動かして『否』と言った。
「あとは・・・・布団かな」
「は?」
「二人で寝ても窮屈じゃない布団」
 徳川の身体が小刻みに震えたかと思うと、彼はとうとう笑い出してしまった。
「何で笑うんだよ!」
「いや、すまん」
 徳川は想像してしまったのだ。ダブルの布団がここにに運ばれてくるさまを。布団を運び上げてきた運送屋が、ここが男所帯だと知ったら、一体どんな顔をするだろうか。
 まったくこの子には驚かされてばかりだと、徳川は思った。


 肌を寄せ合ったまま二人は眠りに落ちた。
 
 寒露。結んだ露が凍る時期。
 今秋最大の冷え込みを記録したのは、その夜のことだった。

=====
See you next time!

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