オヤジスキーどもの穴(連載小説用ブログ)
ゆずかほるの連載小説掲載用ページ。ここに掲載する小説には男性同士の恋愛および性描写が含まれますので、18歳未満の方・BL・やおい・同性愛等に不快感を抱かれる方は今すぐ退散してください。


プロフィール

ユズカホル

Author:ユズカホル
サークル名:BUCK÷STYLE/自称スケベビッチ・オヤジスキー。中学生の頃には既に自他共に認めるオヤジ好きを確立。よって小説の登場人物は平均年齢高め。ジャンルはハードボイルド系JUNE。ちょっと後ろ暗い感じのする小説を書くのが好み。
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3 野分(のわき)(2/9)
連載小説2 『黍嵐(きびあらし)』
第3章 野分(のわき)(2/9)

<余談>
 綺麗どころ登場☆
 ワタシがとっても好きなシーンの1つです。
 別名、ウワバミVS下戸の戦い。
 火花が散るぜ!

お読みになる方は、下の read more をクリックしてください


 コーカソイドらしい彫の深い顔立ち。コバルトブルーの瞳。流れる金糸――
 すらりとした長い脚を持て余すかのように、彼はゆったりと脚を組んだ。
(うわ・・・す、すっげーカッコイイ・・・・)
 松院はあまり見ては失礼になると思いつつも、気になって気になって仕方がない。硬直したまま、目の端っこで彼の姿を追ってしまう。
 彼にスコッチウィスキーを出した香奈が松院の前に戻ってきた。
「か、香奈さん。あのひと、知り合い?」
「ううん」
「俳優か何か・・・かな?」
 松院が小声で話しかけると、香奈が視線を向けた。香奈の頬にはほんのりとだが朱が差している。
「さぁね」
 アイボリーホワイトのスーツに身を包んだ彼は、ゆったりとした動作で長い金糸をかき上げた。物憂げな表情もサマになっている。
 軽く香りを楽しむ仕草を見せてから、彼はショットグラスを一気にあおった。それから軽く唇を嘗めて、満足げな表情を浮かべた。
 松院は彼の表情を見て、自分も満足を覚えた。
(そうでしょうとも。ヒロさんのチョイスですからね)
 限定生産されている超高級スコッチウィスキー。ワン・ショットがいくらするのか、松院にも分からないようなシロモノだった。
 そのシロモノを平気でかぱかぱ空けてしまう彼に、松院は呆気にとられてしまった。財布の中身は大丈夫なのだろうかなどと、庶民じみた思考が松院の脳裏を掠めた。
 いつの間にか開店時間を回っていた。本格的に客が入り始める前に退散しようと、松院は水割りを飲み干しにかかった。案の定、松院の背後でドアチャイムが涼しげな音を立てた。
「香奈。あいつは――」
 ドアが開くなり男の声が響いた。聞き覚えのある声。松院は声の主を振り返った。
「ヒロさん・・・・」
 入ってきたのは徳川だった。三つ揃いのスーツに身を包んでいる。
「Hiro.」
 松院の背後から、例の外国人が徳川の名を呼んだ。彼と徳川の間に視線の火花が飛んだ。
 松院は直感した。自分はここに居るべきではないと。
 徳川は松院に視線を戻すと、スーツのポケットから革製のキーホルダーを取り出した。
「ショウ。車に行っていろ」
「いい。オレ、帰る」
 松院は土産物の袋を一掴みにすると、逃げ出すように店を出て行ってしまった。
 徳川はカウンターに歩み寄った。
「香奈。どうして松院がいることを俺に知らせなかった」
「待ち合わせをしているなんて聞いていなかったもの。それに、いずれ分かることでしょ?いつまでも隠し通せるものでもないし」
 徳川は舌打ちをして苦い表情を一瞬見せた。
「Is he your new partner?」
「Mind your own business.」
 新しいパートナーなのかと訊かれて、徳川は余計なお世話だと切り替えした。
『何故おまえが日本にいるんだ』
『あんたに会いに来た』
『は。ジョークにもならないな。プレジデントの随行か?』
 彼はフンと鼻を鳴らした。
『ならばあんたのところに一番に知らせが行くだろう』
『緊急の呼び出しを予測して正装してきたが、違ったか。じゃあ、百合子さんと一緒なのか?』
『いいや』
『いい加減、年貢を納めろ。俺みたいになっちまうぜ』
『彼女とは別れた』
『何だって』
 ふと笑いを浮かべると、彼はショットグラスを空けた。


 マンションに向かってBMW・ALPINA・B3を走らせながら、徳川は『何故』を繰り返していた。
 何故あの男が日本にいるのか。
 何故あの男は自分を呼び出したりしたのか。
 何故――
 信号が赤に変わって、徳川はブレーキを掛けた。前の車の助手席のドアが開いて、長い髪の女が降りた。運転手に向けて手を振っている。その光景をぼんやりと眺めていた徳川の脳裏に香奈の言葉が蘇った。
『いつまでも隠し通せるものでもないし』
 徳川は短く吐息を漏らした。
 解っている。いつかは話さなければならない時が来る。
 信号が青に変わった。青い光が滲んでいる。徳川は右手でレバーを弾いてからシフトノブを操作した。ワイパーが一巡して、雨粒を払った。クラッチを繋ぎながらアクセルを踏み込む。滑らかな加速。純白の車体にぱらぱらと雨粒が散った。
 松院を裏切っている。
 徳川は再び短く吐息を漏らした。

=====
See you next time!

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ゆずぶろ【2008/05/16 20:02】





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