オヤジスキーどもの穴(連載小説用ブログ)
ゆずかほるの連載小説掲載用ページ。ここに掲載する小説には男性同士の恋愛および性描写が含まれますので、18歳未満の方・BL・やおい・同性愛等に不快感を抱かれる方は今すぐ退散してください。


プロフィール

ユズカホル

Author:ユズカホル
サークル名:BUCK÷STYLE/自称スケベビッチ・オヤジスキー。中学生の頃には既に自他共に認めるオヤジ好きを確立。よって小説の登場人物は平均年齢高め。ジャンルはハードボイルド系JUNE。ちょっと後ろ暗い感じのする小説を書くのが好み。
【イベント参加のお知らせ】
GOOD COMIC CITY 15 への参加が決定しました☆
08年8月30日(土)東京ビッグサイト
配置は東6ホール・タ・15aです。
立派な新刊はありませんが、コピー本だけは持参しようと頑張って執筆してます!内容はヒゲオヤジシリーズの番外編かな?お楽しみに〜v



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4 白菊(しらぎく)(5/8)
連載小説2 『黍嵐(きびあらし)』
第4章 白菊(しらぎく)(5/8)

お読みになる方は、下の read more をクリックしてください。

 その夜のこと。松院は昼間に話したとおり、蒼士を風呂に入れてやった。身体を流して、湯船に浸かった蒼士は、頬を上気させて心から満足そうな表情をしていた。
 傷に障るからと、松院は渋る蒼士を湯船から追い出した。
「髪の毛は海棠に乾かしてもらえよー」
「それくらい自分でやるって」
「だーめ」
 松院は脱衣場から大声で海棠を呼んだ。すぐさま海棠がやって来た。
「わあ。蒼士さんのほっぺ、ピンク色ですね」
 蒼士が目を細めて、へへと笑った。
「湯冷めしないうちに髪の毛、乾かしてやってくんない?」
「はーい。蒼士さん、行こ」
 海棠は蒼士をリビングに連れて行った。
 その後、蒼士は海棠に髪を乾かしてもらったり、美峰女史に傷の治療をしてもらったりしたのだが、終始上機嫌だった。更には海棠が切り分けてやった林檎を美味しそうに食べたりした。
「とってもいい感じだわ。この調子よ」
 美峰女史は、松院にこっそりとそんなことを言った。

 その夜、蒼士はとてもよく眠った。松院は蒼士の寝顔を確かめてから、ベッドの脇に敷いた布団に横になった。
 どれくらい時間が経っただろうか。
 松院は寒気を感じて目を覚ました。
(さっみ〜!冷えるぜ、今夜は。床に布団は辛いかも)
 布団の中で縮こまりながら、松院はふと蒼士は大丈夫だろうかと思った。
「〜・・・」
 蒼士が何か言っている。
 松院はハッとして身体を起こした。闇の中、耳を澄ます。
「Verzeihen Sie, Niko…Ver…」
 松院はかなり用心深く聞き耳を立てていたつもりだったが、理解できなかった。
(フェアツァイエン?ドイツ語じゃねーの?)
 そう考えているところに、悪寒が走った。油断すると歯の根が合わなくなりそうだ。
 蒼士の髪をそっと撫でて、布団を掛けなおしてやってから、松院は布団に戻った。布団を被っていても、一向に悪寒は治まらない。
 松院は思い切って布団を抜けた。風呂に浸かって、温まりなおしてから寝ようと思ったのだ。
 しかし、これは見事に裏目に出ることとなった。


 翌朝。
 松院は、自分にあてがわれた部屋に布団を敷いて横になっていた。
「はい。体温計見せて」
 松院は体温計を美峰女史に手渡した。美峰女史の眉が動いた。
「何度ですか?」
「ふふ〜ん。知りたい?」
「知りたいッス」
「三十九度二分」
「げっ!」
 松院が頭を動かすと、水枕に入れた氷が擦れ合って音を立てた。
「風邪ね」
「え〜?だってオレ、喉も痛くないし、鼻も詰まってないし」
「疲れから来る風邪よ。インフルエンザとか感染性の風邪じゃなくってね。栄養を摂って、休むしかないわね」
「そんなぁ〜」
「身体が休んでくれーって叫び声を上げてるんだから、大人しくなさい」

 美峰女史が出て行ってから、松院は一眠りしたようだった。
 人の気配に目を覚ますと、枕元に海棠がいた。水枕の具合を確かめに来たようだ。視線が合うと、彼女はにっこりした。
「松院さん。林檎、食べます?」
「林檎・・・あ、もらう」
 海棠はにっこりしてから部屋を出て行った。それからしばらくして彼女は戻ってきた。
「美峰先生が呼んでらっしゃるから、ちょっと行ってきます。食べてくださいね」
 ガラスの器に盛られた林檎。八分の一カットのウサギたちが、一斉に松院の方を見詰めていた。
 松院は林檎ウサギを一匹摘み上げると、頬を緩めた。
「女の子だねぇ〜」

 その頃、美峰女史はウッドデッキに出て携帯電話で通話していた。
「そうなのよ。これから海棠に頼んで、あたしの車で連れて行かせるから。午後から休診だなんてバカなことしないで、ちゃんと診てあげてね」
 こうして本人の知らないところで、松院の強制送還が決定したのだった。

=====
See you next time!

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ゆずぶろ【2008/06/02 19:35】





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