オヤジスキーどもの穴(連載小説用ブログ)
ゆずかほるの連載小説掲載用ページ。ここに掲載する小説には男性同士の恋愛および性描写が含まれますので、18歳未満の方・BL・やおい・同性愛等に不快感を抱かれる方は今すぐ退散してください。


プロフィール

ユズカホル

Author:ユズカホル
サークル名:BUCK÷STYLE/自称スケベビッチ・オヤジスキー。中学生の頃には既に自他共に認めるオヤジ好きを確立。よって小説の登場人物は平均年齢高め。ジャンルはハードボイルド系JUNE。ちょっと後ろ暗い感じのする小説を書くのが好み。
【イベント参加のお知らせ】
GOOD COMIC CITY 15 への参加が決定しました☆
08年8月30日(土)東京ビッグサイト
配置は東6ホール・タ・15aです。
立派な新刊はありませんが、コピー本だけは持参しようと頑張って執筆してます!内容はヒゲオヤジシリーズの番外編かな?お楽しみに〜v



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4 白菊(しらぎく)(7/8)
連載小説2 『黍嵐(きびあらし)』
第4章 白菊(しらぎく)(7/8)

<お詫び>
昨日まで「*/9」と表記していましたが、誤りでした。
「*/8」が正解です。
第4章で掲載済みの節も、すべて訂正いたします。
申し訳ございませんでした。

<お知らせ>
COMIC CITY 東京119への参加が決定しました!
6月29日(日) 一般入場11:00〜閉会15:00
東京ビッグサイト 東5ホール ニ 3b
サークル名/BUCK÷STYLE(ばっくすたいる)
新刊はありませんが、お立ち寄りいただけますと嬉しいですv

お読みになる方は、下の read more をクリックしてください。


 梶木が白衣の襟を正しているところに、また電子音が響いた。
「はい?えっ・・・と。うわぁ、どうすっかな」
 松院の点滴が終わったというのだ。
 海棠が美峰女史の愛車を運転して、この総合病院まで連れてきたのだった。あとは梶木が自分の個室で預かって、梶木が送り届けるなり、徳川が迎えに来るなりすることになっていた。
 この男と松院を鉢合わせにするというのは得策ではない。
 梶木は思案した。
「おれ、急患が入ったんだ。今からそっちに行くから。そのまま診察台で待たせといて。頼むよ」 
 梶木は聴診器を首に掛けた。既に医者の顔になっている。
『どうする?もうちょっと居るかい?』
『いいや。タツヤの顔を見て話ができたから、もういい』
 梶木はニコライという名の彼を伴って、病院のロビーまで出た。
『ここから駐車場は分かるだろ?』
『ああ』
 梶木は、じゃあねと言い残して、急患の待つ診察室へと足早に消えて行った。梶木の背中を見送って、ニコライという名の男も姿を消したのだった。


 5分ほど経って、松院がロビーに姿を現した。点滴を二本立て続けに打たれるハメになって、いささかゲッソリしていた。
(ま、参った。点滴なんて、あれ以来じゃん)
 弟の事件で弓削刑事の世話になったとき、最初に運び込まれたのがこの病院だった。
「向田さん?梶木先生のお部屋にご案内いたしますけど」
「いや、大丈夫ッス。何回か来てるから、分かりますから」
 看護婦の案内を断って、松院はロビーの椅子に腰掛けた。梶木の部屋には行かず、このままタクシーを拾って徳川のマンションに帰ろうと考えていた。
(子どもじゃあるまいし。自分で帰るっつーの)
 何も言わずに帰ってしまうのもなんだからと、松院は誰かに伝言を頼もうかと、辺りを見回した。
 しかし、この日は患者の数が多くて、受付も薬局も非常に忙しそうだった。
(しゃーない。先生の部屋にメモを残して、あと携帯電話に留守録しておくか)
 松院はロビーの椅子からゆっくりと立ち上がった。
 梶木の部屋の前。預かった鍵で施錠を解いて中に入る。テーブルには湯飲みが二つ、置かれたままになっていた。
(溜まり場になってんのかな?先生らしいっつーか)
 テーブルを横目に見ながら、松院は梶木のデスクに向かった。製薬会社のロゴの入ったメモ用紙とボールペンが置かれていた。
 タクシーで帰るという内容を書いて、現在時刻も添えた。
「さて、留守録すっか」
 上着のポケットから携帯電話を取り出して、電源を入れようとしたときだった。白い影が、松院の視界の端に映った。松院は心臓が止まりそうなくらいびっくりして振り返った。
 ドアを背にして、あの男が立っていた。
 コバルトブルーの瞳が、松院を見詰めている。
 殺し屋との対峙。
 『蛇に睨まれた蛙』というのは、まさにこのことだった。

***

 白いMASERATI SPIDERが立体駐車場の出口から滑るようにして出て行った。
 ステアリングを握っているのは白皙の殺し屋で、松院はナビゲーション・シートでガチガチに緊張していた。
 高熱を出して、戦力外通告をされて、果てには殺し屋の手に落ちるとは。
 なんてついていない日なのだろうと、松院は己が身を呪った。
「Are you a Hiro’s new partner?」
 突然話しかけられて、松院は心拍数が跳ね上がった。
「I…I…I beg your pardon??」
 な、なんですかと問いかけると、白皙の殺し屋は松院をちらりと横目で見た。
『英語は解るんだな』
『ええ、まあ』
『おまえはヒロの新しいパートナーか』
『えっ、あっ、はい』
 松院は素直に答えてしまった。
『タツヤに会いに来たのか?』
『いいえ』
 緊張もさることながら、松院は身体がだるくて仕方がなかった。無意識のうちにはっ、はっと、短い呼吸を繰り返していた。
 突然、男が右手を伸ばして、松院の額に掌を押し当てた。冷たい手だった。
『熱があるな』
 松院は心拍数が極限まで跳ね上がった。頭の血管が切れそうだ。
『ヒロに忠告してやろう。パートナーをもっと大切に扱えと』
 松院が、えっ?と思っていると、
『セックスの加減くらいしてもらえ』
 松院は頭をハンマーで殴られたような心境だった。
『そんなんじゃねぇよ!!』
 男はくつくつと喉を鳴らして笑った。
 このやり取りのお陰で、松院は緊張の糸がプツンと切れた。
 もうどうでもいいやという気持ちになってくる。
『あのさぁ。あんた、何者なの?』
『ヒロは何と?』
『・・・殺し屋だって言ってたけど』
 男がフンと鼻を鳴らした。
『なるほど。当たっている』
『それで・・・ヒロさんをどうにかしようってぇの?』
『さあ。考えているところだ。それより自分の身の心配をしたらどうだ?』
 松院は脳髄から血が引きそうだった。ヤバイ。断じてヤバイ。
『オ、オレなんか殺す価値もないと思うんだけど』
『確かに』

=====
See you next time!

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ゆずぶろ【2008/06/05 20:31】





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