オヤジスキーどもの穴(連載小説用ブログ)
ゆずかほるの連載小説掲載用ページ。ここに掲載する小説には男性同士の恋愛および性描写が含まれますので、18歳未満の方・BL・やおい・同性愛等に不快感を抱かれる方は今すぐ退散してください。


プロフィール

ユズカホル

Author:ユズカホル
サークル名:BUCK÷STYLE/自称スケベビッチ・オヤジスキー。中学生の頃には既に自他共に認めるオヤジ好きを確立。よって小説の登場人物は平均年齢高め。ジャンルはハードボイルド系JUNE。ちょっと後ろ暗い感じのする小説を書くのが好み。
【イベント参加のお知らせ】
GOOD COMIC CITY 15 への参加が決定しました☆
08年8月30日(土)東京ビッグサイト
配置は東6ホール・タ・15aです。
立派な新刊はありませんが、コピー本だけは持参しようと頑張って執筆してます!内容はヒゲオヤジシリーズの番外編かな?お楽しみに〜v



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5 色葉散る(8/10)
連載小説2 『黍嵐(きびあらし)』
第5章 色葉散る(いろはちる)(8/10)

お読みになる方は、下の read more をクリックしてください。


 松院は石造りの階段を駆け下りた。ガレージの前まで来たところで、彼は足を止めた。ガレージの入り口で、徳川は紫煙を燻らせていた。
「ヒロさん」
 松院はゆっくりと歩きながら話しかけた。
「ヒゲ、本当に剃るなんて思わなかったよ」
「蒼士の忠義に報いるためだ」
「オレの提言に従ったとは言いたくないわけね」
 松院は徳川の真正面に歩み寄った。
「チーフだか何だか知らないけど、さっきの態度はどうかと思うよ?いくら頭にきたからって、殴ることないんじゃない?!しかも蒼士が見てる前で!」
 徳川は足元に煙草を落として靴の裏で踏み消した。
「あいつと寝たのか」
「寝てない」
「本当か」
「信じるも信じないも、勝手だけど」
 松院は徳川を睨み上げた。
「オレはどうでもよかったけど、あいつがオレに手を出さなかったんだ。それだけさ」
 徳川は黙ったまま松院を見据えている。
 松院はふいと視線を逸らすと、伸ばしかけの茶色い髪をかき上げた。
「じゃあ聞くけど、香奈さんとはどうだったんだよ」
「悪酔いして、世話になっただけだ」
「世話って?どんな世話?乗られて善がってたんじゃないの?」
 パン!という乾いた音がガレージに響いた。
「馬鹿にするな」
 松院は打たれた頬を掌で押さえた。
 徳川は吸殻を拾い上げると、松院に背中を向けた。松院は徳川の背中に向けて叫んだ。
「馬鹿にしてんのはあんただろ!!あんたも、あの男も!!あんたらがどんなお偉いさんだか知らないけど、あんたたちが片意地張ったお陰で蒼士が死にかけたんじゃないか!!」
 徳川の足が一瞬止まった。松院はなおも叫んだ。
「一番傷ついてンの、誰だと思ってんだよ!蒼士の命をおもちゃにしたのは、あんたらも悪党も同じことじゃないか!!」
 徳川の背中が遠のいていく。
 冷たい秋の風が、色づいた木々の葉を散らした。
 松院の視線の先で、BMWが方向転換をした。バラスを踏む音がガレージの壁に響いた。
 立ち尽くしている松院の前を擦り抜けて、BMWはススキの小道へと消えて行った。
 途端に、松院の目から涙が溢れ出した。
「・・・・っ・・・チックショ・・・・」
 頬を押さえたまま、松院は項垂れた。
 何故、素直に謝れなかったのだろう。どうして一言ごめんなさいと言えなかったのだろうか。
 松院は嗚咽を漏らしながら、ガレージの中でうずくまっていた。
「松院さん」
 松院の頭の上で海棠の声がした。松院は項垂れたまま、顔を上げることができなかった。
「ひどいこと言っちまった・・・・・」
「そんなことないです」
「オレ、ヒロさんに嫌われた・・・」
「そんなことありません」
 海棠は松院の横に座った。海棠の細い腕が、松院の肘に触れた。
「チーフは松院さんを嫌いになったりしません。ちょっとは怒ってるかもしれないけど。怒るのと嫌いになるのって、別でしょ?」
 松院は鼻を啜った。海棠は続けた。
「好きだから、怒ったんです。嫌いだったら、黙って放っておくと思います。口も利きたくないと思ったんだったら、何も言わずに帰ったと思います」
「確かに帰っちゃったよね・・・」
「そうじゃなくて。チーフはここで待ってたんでしょ?松院さんが追いかけてきてくれるかどうか、どきどきしながら待っていたんだと思います。松院さんの顔を見て、チーフはホッとしたと思うんです。追いかけてきてくれるかどうか、賭けていたかもしれません」
 松院の脳裏に、ニコライと蒼士の姿が浮かんだ。再会を果たしてきつく抱き合っている二人の姿。

 好きなら、追いかけろ。
 ニコライが、蒼士を追い求めたように――

 弾かれたように、松院が顔を上げた。海棠の笑顔が目に飛び込んできた。
「今日はニンジャに乗って行ってくださいね」
 迷うなと言うかのように、彼女がニコッとした。

=====
See you next time!

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ゆずぶろ【2008/06/17 20:10】





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